憧れの女性像
- 作者: 唯川恵
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2004/10/20
- メディア: 文庫
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好きなことをして、好きなものに囲まれて、好きな人と一緒に生きる、それより大切なことなど他に何があるだろう。
『失恋ショコラティエ』が私のバイブル!って言ってたけど、小説ならこれかも。共感しちゃう言葉がたくさん!るり子みたいな女の人好きです。高級なものだけ食べるのがわがままなんじゃなくて、たとえば安い牛丼でも、そのときに食べたいものを食べるってことが贅沢なんだ、っていうのもよかった。
いつだって、自分が幸せになるための努力を惜しまない。
女にとって、綺麗で、男に大切にされて、おいしいものを食べて、好きな洋服やブランド製品で身を飾るに勝るどんな幸福があるというのだろう。
ワガママを通す方が、我慢するよりずっと難しい。
「抱かれたいんじゃないと思うな。きっと、抱きしめられたいんだ」
食べる行為は官能とつながっていると思う。
恋はしたいと思うが、我を忘れるような状態になりたくなかった。実際、なったこともなかった。
周りから優しく、大切に扱われるだけの過去なんてあるはずがない。完璧な親なんかいない。結局は責任のなすりあいだ。
「ねえ、不幸になることを考えるのは現実で、幸せになることを考えるのは幻想なの?」
るり子は、美しく、頭の回転も良く、自分の幸せのために一生懸命。私かわいいでしょ?って言えちゃう女の子、好きです。純粋なふりして中身はどろどろしてる子より、ずっと潔くて。わがままでも、幸せそうな女の子を見てると周りも幸せになれるよね。
萌もすき!萌はクールで理性的で、2人は正反対みたいにも見えるけど、萌もちゃんと自分を持ってるし、意外と欲望に忠実で、さっぱりした性格で、根っこの部分は似てるんだと思う。2人とも、かっこいいなって思います。
女王様気質で何でも思い通りになってきたるり子も、最後は現実を突きつけられたところもあって、それもよかった。でもどんな状況でも、好きな服を着て好きな自分で、幸せになることしか考えられない、そういうところはブレないるり子のままで、それもよかった。
最後は結局女同士の親友が、一番気楽で信頼できるなとも思いました。こういう家族のかたちも、これからどんどん増えてくるんじゃないかな?